この度は、私どもアンチキャンサージャパン社にお立ち寄りいただきまして、
誠にありがとうございます。
私どもは、がんの個別化医療時代に向けて、また、がん細胞可視化研究を進めております。
その一つが、ここにご紹介しています、蛍光タンパク質発現がん細胞です。
マウス/ラット由来がん細胞大腸がん(マウス)Colon26-GFP細胞は、マウス大腸がん由来Colon26細胞に対して、緑色蛍光タンパク質(EGFP)遺伝子を含むレトロウイルスベクターpFBによる遺伝子組換えを行って作製した細胞である。顕微鏡観察から、蛍光を発する細胞の割合は、96%であった。生物種特異的PCR法により、マウス由来と確認された。
腫瘍のin vivoイメージングへの蛍光タンパクの多様な使い方
ロバート・M・ホフマン(アンチキャンサー社CEO)
Nature Review(Cancer), Volume 5/October 2005, page 796-806より
抄録:蛍光タンパクは、これまで目に見えなかった生物の現象を目に見えるようにし、生物学に革命的変化をもたらした。即ち、蛍光タンパクは腫瘍細胞の動き、浸潤、転移や血管新生などのような生きた動物の体内での癌の重要な側面を目で見ることを可能にした。多様な蛍光タンパク細胞はin vivoで成育する癌細胞の色による識別を可能にし、また癌細胞と宿主細胞を細胞レベルで識別することを可能にした。いろいろな蛍光タンパクを使うことによって初めて、in vivoにおける癌の発生や進行といった重要な側面を目で見ることが可能になった。
蛍光タンパクは、癌のいろいろな進行過程(原発腫瘍の生育、腫瘍細胞の可動性、浸潤、転移、着床、血管新生、腫瘍細胞と宿主細胞の相互作用)を目で見ることを可能にした。多数の異なった色の蛍光タンパクが同定され、それらは特異的な遺伝子型や表現型を持った癌細胞の色による識別(color-coding)に使われている。例えば、非常に転移し易いGFPで標識された癌細胞と転移率が低くRFPで標識された癌細胞はin vivoで直接比較することが可能である。また、宿主と癌細胞は異なる蛍光タンパク質を使って特異的に色分けできる、すなわち全身の細胞でGFPが発現しているトランスジェニックマウスにRFPを発現している癌細胞を移植すると、癌細胞と宿主細胞の相互作用をリアル・タイムで観察することができる。
ロバート・M・ホフマン(アンチキャンサー社CEO)
Nature Review(Cancer), Volume 5/October 2005, page 796-806より
抄録:蛍光タンパクは、これまで目に見えなかった生物の現象を目に見えるようにし、生物学に革命的変化をもたらした。即ち、蛍光タンパクは腫瘍細胞の動き、浸潤、転移や血管新生などのような生きた動物の体内での癌の重要な側面を目で見ることを可能にした。多様な蛍光タンパク細胞はin vivoで成育する癌細胞の色による識別を可能にし、また癌細胞と宿主細胞を細胞レベルで識別することを可能にした。いろいろな蛍光タンパクを使うことによって初めて、in vivoにおける癌の発生や進行といった重要な側面を目で見ることが可能になった。
蛍光タンパクは、癌のいろいろな進行過程(原発腫瘍の生育、腫瘍細胞の可動性、浸潤、転移、着床、血管新生、腫瘍細胞と宿主細胞の相互作用)を目で見ることを可能にした。多数の異なった色の蛍光タンパクが同定され、それらは特異的な遺伝子型や表現型を持った癌細胞の色による識別(color-coding)に使われている。例えば、非常に転移し易いGFPで標識された癌細胞と転移率が低くRFPで標識された癌細胞はin vivoで直接比較することが可能である。また、宿主と癌細胞は異なる蛍光タンパク質を使って特異的に色分けできる、すなわち全身の細胞でGFPが発現しているトランスジェニックマウスにRFPを発現している癌細胞を移植すると、癌細胞と宿主細胞の相互作用をリアル・タイムで観察することができる。
1. GFP遺伝子は腫瘍細胞に安定して組み込むことができます。
2. 蛍光タンパクを発現している生体内の腫瘍組織や転移巣を、動物を傷つけることなく非侵襲的に体外から観察することができます。
3. GFP遺伝子を発現させる遺伝子の部位によって異なりますが、GFP遺伝子組換えマウスではGFPを生体内の全細胞、あるいは特定の細胞で発現させることができます。
このGFPマウスにRFPを発現する腫瘍細胞を移植すると、腫瘍細胞と宿主細胞の相互作用を見ること可能にする二色イメージング・モデルをつくることができます。
4. 癌細胞に二つ以上の蛍光タンパクを発現させることが可能です。
例えば、細胞核をGFPでラベルし、細胞質をRFPでラベルすることができます。
このような細胞を使えば、核と細胞質の挙動をin vivoで観察することができます。
5. 細胞一つずつをin vivoイメージングで観察できます。深部組織の場合でも、皮弁や窓を付けることで細胞単位の観察が可能です。
この技術によって癌細胞の浸潤、遠隔臓器への転移、休眠の研究が可能です。
6. 蛍光タンパクを使ったイメージングは、ルシフェラーゼを使ったイメージングに較べて、次のような長所があります。
得られるシグナルが明るい。
基質が不要です。
多様な色彩が利用できます。
単純で安価な装置で測定できます。
7. In vivoイメージングを使うと、ヒト癌のマウスモデルを使って抗癌剤の有効性を目で見て評価でます。
8. 蛍光タンパクイメージングを使うと、一つの遺伝子の変化の影響を画像化することができます。
例えば、一つの遺伝子の変化が転移や抗癌剤への感受性に及ぼす影響を見ることができます。
9. 癌の診断や治療分野での応用の可能性があります。
例えば、マウスモデルの場合、ビールス・ベクターを使って、選択的かつ安定的に形質転換できます。将来この方法はヒト癌患者に応用してリアル・タイムで腫瘍の増殖や治療効果の評価に利用できる可能性があります。
Rashidi, B., Yang, M., Jiang, P., Baranov, E., An, Z., Wang, X., Moossa, A.R., and Hoffman, R.M. A highly metastatic Lewis lung carcinoma orthotopic green fluorescent protein model. Clinical & Experimental Metastasis 18, 57-60, 2000.より
The Lewis lung carcinoma has been widely used for many important studies. However, the subcutaneous transplant or orthotopic cell-suspension injection models have not allowed the expression of its full metastatic potential. A powerful new highly metastatic model of the widely-used Lewis lung carcinoma is reported here using surgical orthotopic implantation (SOI) of tumor fragments and enhanced green fluorescent protein (GFP) transduction of the tumor cells. To achieve this goal, we first developed in vitro a stable high-expression GFP transductant of the Lewis lung carcinoma with the pLEIN retroviral expression vector containing the enhanced Aequorea victoria GFP gene. Stable high-level expression of GFP was found maintained in vivo in subcutaneously-growing Lewis lung tumors. The in vivo GFP-expressing tumors were harvested and implanted as tissue fragments by SOI in the right lung of additional nude mice. This model resulted in rapid orthotopic growth and extensive metastasis visualized by GFP-expression. 100% of the animals had metastases on the ipsilateral diaphragmatic surface, contralateral diaphragmatic surface, contralateral lung parenchima, and in mediastinal lymph nodes. Heart metastases were visualized in 40%, and brain metastases were visualized in 30% of the SOI animals.
The Lewis lung carcinoma has been widely used for many important studies. However, the subcutaneous transplant or orthotopic cell-suspension injection models have not allowed the expression of its full metastatic potential. A powerful new highly metastatic model of the widely-used Lewis lung carcinoma is reported here using surgical orthotopic implantation (SOI) of tumor fragments and enhanced green fluorescent protein (GFP) transduction of the tumor cells. To achieve this goal, we first developed in vitro a stable high-expression GFP transductant of the Lewis lung carcinoma with the pLEIN retroviral expression vector containing the enhanced Aequorea victoria GFP gene. Stable high-level expression of GFP was found maintained in vivo in subcutaneously-growing Lewis lung tumors. The in vivo GFP-expressing tumors were harvested and implanted as tissue fragments by SOI in the right lung of additional nude mice. This model resulted in rapid orthotopic growth and extensive metastasis visualized by GFP-expression. 100% of the animals had metastases on the ipsilateral diaphragmatic surface, contralateral diaphragmatic surface, contralateral lung parenchima, and in mediastinal lymph nodes. Heart metastases were visualized in 40%, and brain metastases were visualized in 30% of the SOI animals.
GFP(Green Fluorescent Protein/緑色蛍光タンパク質)ヌードマウスとは、
緑色蛍光タンパク質を全身に導入したヌードマウスのことです。
また、弊社では
RFP(Red Fluorescent Protein/赤色蛍光タンパク質)ヌードマウスも
さらには
CFP(Cyan Fluorescent Protein/青色蛍光タンパク質)ヌードマウスも
ご用意しております。
蛍光色素を導入したがん細胞を
外科的同所移植(SOI)することにより腫瘍の原発巣での増殖及び浸潤、
移転をリアルタイムに外部から
非侵襲的・定量的・継続的に測定することが可能になります。
このようにGFP/RFP/CFPヌードマウスはin vivoバイオイメージング実験に有用であり、
特にがん細胞と宿主細胞の相互作用の観察に威力を発揮します。
蛍光タンパク・ヒト癌マウスモデルのLED*フラッシュライトを使った手軽な全身イメージング
Meng Yang, George Luiken, Eugene Baranov, and Robert M. Hoffman
(AntiCancer, Inc., san Diego, and Fluoro-Probe, Inc., Coronado, CA, USA)
Bio-Techniques,39(2),170-171(2005)より
抄録:我々は、in vivoで細胞を検出しイメージングするためにGFP(緑色蛍光タンパク)を使う方法を開発した。我々は、蛍光装置を使ってマウスの臓器内の生きた腫瘍細胞を顕微鏡下に初めて目に見える形で検出した。全身イメージングにGFPを使う方法も我々が確立したものである。生きたマウスで増殖し、蛍光タンパクでラベルされた転移性の腫瘍がリアル・タイムでイメージングされた。GFPを使った全身イメージングは、動物の体外から非侵襲的に実施でき、基質の注入や麻酔をする必要もなく、生きた動物の体内での腫瘍の増殖や転移を、これまでにない連続的で目に見える形でモニターリングすることを可能にした。内部臓器での腫瘍の生育はディジタル化した全身イメージングを使って定量的に測定できる。イメージングのためには、蛍光実体顕微鏡あるいは蛍光発生用ライト・ボックスとCCDカメラが必要である。
*LED: Light-Emitting Diode(発光ダイオード)
Meng Yang, George Luiken, Eugene Baranov, and Robert M. Hoffman
(AntiCancer, Inc., san Diego, and Fluoro-Probe, Inc., Coronado, CA, USA)
Bio-Techniques,39(2),170-171(2005)より
抄録:我々は、in vivoで細胞を検出しイメージングするためにGFP(緑色蛍光タンパク)を使う方法を開発した。我々は、蛍光装置を使ってマウスの臓器内の生きた腫瘍細胞を顕微鏡下に初めて目に見える形で検出した。全身イメージングにGFPを使う方法も我々が確立したものである。生きたマウスで増殖し、蛍光タンパクでラベルされた転移性の腫瘍がリアル・タイムでイメージングされた。GFPを使った全身イメージングは、動物の体外から非侵襲的に実施でき、基質の注入や麻酔をする必要もなく、生きた動物の体内での腫瘍の増殖や転移を、これまでにない連続的で目に見える形でモニターリングすることを可能にした。内部臓器での腫瘍の生育はディジタル化した全身イメージングを使って定量的に測定できる。イメージングのためには、蛍光実体顕微鏡あるいは蛍光発生用ライト・ボックスとCCDカメラが必要である。
*LED: Light-Emitting Diode(発光ダイオード)
蛍光タンパク質を用いた研究は論文にまとめられております。
また、蛍光タンパク質が綺麗に写っております映像もご覧の通りです。
他にも、ご参考例として、
外科的同所移植(SOI:Surgical Orthtopic Implantation)による
ヒト癌転移モデルマウスの全身イメージングをご覧ください。
使用した癌細胞と同所移植からイメージングまでの日数も記載してございます。
Colon‐26‐GFP(マウス大腸癌):同所移植後19日目
蛍光タンパク質を用いた研究は論文にまとめられております。
また、蛍光タンパク質が綺麗に写っております映像もご覧の通りです。
もちろん関連研究、付随する論文に関するご質問、ご助言なども、
ご相談に応じさせていただきたいと考えております。
頂きますコメント等は、弊社にて承認させていただきましたもののみを
公開させていただく所存にございます。
従いまして、まずはページ内コメントなどをご活用いただき、お気軽にお問い合わせください。
小さな疑問、お気付きの点など、些細なことでもご連絡ください。
弊社への直接のお問い合わせをお待ちいたしております。
蛍光タンパク以外の弊社製品、蛍光標識ヌードマウス、受託研究サービス、PDOXなど、
これらに関するお問い合わせも、随時お受付いたしております。
どうか躊躇されることなく、先ずは何より、お問い合わせいただけますようお願いいたします。
皆様のご研究の一助となれますよう、お力添えをさせていただきたく考えております。
ご連絡、心より、お待ち申し上げております。
info(アットマーク)anticancerjapan(ドットコム)
TEL:0476-77-8555 FAX:0476-77-8015
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